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2018年4月23日 (月)

ハルちゃんの話

歯医者に行きました。歯磨きしていたら、かぶせものが、ぽろっと取れたので。
治療中、歯医者さんの顔をみていて、ふと、ハルちゃんのことを思い出しました。

ハルちゃんとは、吉右衛門の元カノ。
P7310099

実は、ハルちゃんの飼い主さんは、歯医者さんのお母さま。

出会いは、5年前、吉の散歩の時。
可愛い女のコには目がない吉右衛門、しっかりハルちゃんをナンパ。

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そこへ登場したのが、ハルちゃんの飼い主さん。
とても聡明で上品なおばあちゃまでした。

「どこかでお見かけしたことが……あーー、歯医者さん!?」
当時、かかりつけの大〇歯科には、年かさの女性の先生がいたのですが、その方がハルちゃんの飼い主さんだったのです。

「ええ、あそこは息子の医院です。働いていないとボケてしまうから。 今はもう、大した仕事はしていませんが」
なんと、御年92歳とのこと。この年齢の方には珍しく、きれいな標準語でした。

戦争のこと。出征した弟さんのこと。
動物が大好きで、ずっと犬を飼っていたこと。
見合いの時、「こんな世の中だけれど、犬や猫さえ飼えないようなところには嫁げません」と言ったら、嫁入りの日、新居には犬が待っていたこと。
前に飼っていた犬はとても利口で、もう一匹の犬の目が見えなくなると、ずっと付き添って、トイレをさせていたこと。
などなど
吉の散歩で、ハルちゃんの家を通りかかると、ハルちゃんが庭の奥から走ってきて、それを見たおばあちゃまも出てきて、
私にそんなお話を聞かせてくれました。(以前、記事を書いたかも)

おばあちゃまが亡くなったのは、翌々年の夏。
地域の掲示板でそのことを知りました。

それからしばらくして、歯医者に行ったときに、おばあちゃま(先生にとってはお母さま)のお悔やみを申し上げました。
「あっという間でね。具合が悪くなって、入院して、たった3日」と、先生は仰いました。
「ハルちゃんは?」
私は尋ねました。
おばあちゃまとの話の中で、
「この年で犬を飼うわけにはいかないと思っていたのだけれど、次男が、一人では寂しいだろって。
(旦那様とは死別。お子さんたちは別に家を構えていて、おばあちゃまは一人住まい)
私が死んだら、ハルは次男が引き取る約束になっているのよ」
と、伺っていたからです。

「ハルは、いったん、弟のところに行ったんだけどね。前からいる犬と相性が悪くて、結局、別の家に引き取ってもらったんだ」
「え~、だったら、うちに迎えたかったなぁ。うちの犬とは仲良しなんですよ」
「そうだったの。惜しいことしたな。村田さんのとこだったら、近所だし、弟もハルも安心だったろうに」
先生は本当に残念そうな様子で、そう仰いましたが、私もとても残念に思いました。
ハルちゃんは可愛かったし、吉は寂しがりだったし、老いの影が見えてきた吉に、ハルちゃんはいい刺激になると思ったからです。

あれから3年。
吉右衛門はもういません。
もしも、あの時にハルちゃんを迎えることができていたら――。

吉はもう少し長生きできたのだろうか、
今の寂しさは、少しは和らいでいるのだろうか、

診察台に寝そべって、歯のかぶせもののセメントが固まるまでの間、あれこれ考えてみたけれど、よくわかりませんでした。
「もしも」は、あくまでも、「もしも」でしかないし、

吉以外の犬がうちにいるという光景が、まったく想像できないのです。

(=^・^=)(=^・^=)(=^・^=)

昔のお絵かき発掘(既出かも)

Photo


Photo_2


Photo_3


Photo_4

(サークルは片付けました。でも、緊急時にはモミジを入れておくのに使えそうなので、たたんでしまってあります)




なお、ハルちゃんは今の飼い主さんのお宅で、幸せに暮らしているそうです。

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コメント

村田さん、こんにちは!

吉右衛門の不在に慣れないのですね。

村田さんにとっての吉右衛門の存在の大きさを感じます。

悲しみはそう簡単には消えるものではありませんものね。

色々思い出して吉右衛門を感じてください。

そうして過ごしていく・・・心の中には吉右衛門がいます。

嫁入りに犬がいる家とは、なかなかシャレた話です。
穏やかで順調に『道』を辿っていらっしゃるようで少しだけ
安心いたしました。

もんが様

こんにちは。お返事が遅くなってしまってすみません。
私ごとで、少々多忙になったことと、吉ロスがじわじわと侵攻しているようで、何だか気力が湧きません。
そうですね。心の中には吉右衛門がいますね。今まで一緒に暮らした犬猫たちと同じように。

(=^ェ^=)(=^ェ^=)(=^ェ^=)

side様

相変わらずお返事遅くてすみません。
はい。順調に穏やかな『道』を辿っております。ゴールはまだ見えてこないけれど、いつか到着すると信じて、一歩一歩進みます。


吉さんが旅立って3ヶ月が過ぎましたね。
栞さん、いかがお過ごしでしょうか。

時々覗いては吉さんの優しいお顔を拝ませていただいています。
やっぱり可愛い・・・
吉さんの体温を感じない毎日はまだまだ寂しくお辛いと思います。かく言う私も、半年過ぎてもいまだに一日一回メソメソタイムが訪れます。しょうがいないですね💦

今回の吉さんの元カノ、ハルちゃんとおばあさまのお話も泣けてしまいました。
吉さんから繋がる色々な物語を読むたびに吉さんをますます身近に感じます。

またご無理のない範囲で、吉さんストーリー共有させてくださいませ☆

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